癒や詩コーナーA

泣くのがいやで

太陽が泣いているのを

誰も知らない

(みんな太陽の笑顔に安心してる)

暖かい日射しに

柔らかい光に

明るい微笑みに


太陽が涙を流しているのを

誰も気づかない

(みんな太陽の笑顔に安心している)

体をけずり

命をけずり

心をついやし

太陽が生きているのを

誰も知らない


泣くのがいやで

笑っている

あなたみたいで






鏡はうそつきだ

私は左手に時計をしているのに

鏡の私は

右手に時計をはめている



どうせなら鏡よ

私が笑ったら

泣いてくれ



反対を写してくれれば

鏡よ

あの人の心も

分かるだろう



鏡よ鏡

私が笑ったら

泣いてくれ





再開

もうすぐ会える

もう少しすれば



空港のロビー

到着を告げるアナウンスが

私の心のスイッチを押す

胸の鼓動が喜びの数をかぞえて

鳴りひびく



あなたとの再会に

私の心は肉体を離れ

あなたを強く抱きしめるでしょう

取り残された肉体は

とまどいと恥じらいの微笑を浮べ

じっと

ただじっと佇み

心の勇気をうらやみながら

あなたを見つめることでしょう



「お久しぶり」

ありふれた言葉で

心を隠したりして



もう少し

もう少ししたら

きっと





お母さんにしてあげる

おばあちゃんが授業参観に来た

「おかあさん 年取っちょう(ているね)」

クラスの女の子が私を笑う



60才近いおばあちゃん

ニコニコ笑って私を見ている

(何で母さん来んと(こないの))

心の中で文句を言う私

でもおばあちゃんに言えない

働いている母のかわりに来てるから

おばあちゃんでいい

誰よりも一番ぼくの名前を呼んでくれる人だから

今日は一日お母さんにしてあげる



先生が質問をした

答も解らず元気よく手を上げた

「はーい」






バトンタッチ

いつも笑顔のお母さん

ありがとう

楽天家でお人好しの母さん

ありがとう

人気者で人望の厚い母さん

ありがとう

美人といつも言われている母さん

ありがとう

若さが年令に勝っている母さん

ありがとう



僕のために飲み屋をやめてくれた母さん

ありがとう

園児達に囲まれていつも楽しそうな母さん

ありがとう

「何とかなる」そう言いながら女手ひとつで

育ててくれた母さん

ありがとう

「好きにしなさい」そう言ってわがままを

許してくれた母さん

ありがとう

誕生日ごとに街へ連れてって

カレーライスを食べさせてくれた母さん

ありがとう

「勉強しなさい」と一度も言わなかった母さん

ありがとう



力いっぱいやりたい事をやって来たと

満足そうな顔をしている母さん

ありがとう

「いろいろ仕事は変えたけどみんな

いい人ばかりだった」と

自分の素晴らしさが人を変えることを

教えてくれた母さん

ありがとう

「大きい家はいつ建ててくれるんね 早く

楽させてよ」って母

「長生きさせたいから もっと苦労して」

って私



母の笑顔の隙間から

人生の疲れが顔をのぞかせている

そろそろ



バトンタッチかな

ありがとうの



バトンタッチ

できないまま

母 天の人




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